最近のネット印刷業界

最近の印刷業界のネット市場】
印刷業界に限らず、元々ネット市場というものは1社独占、あるいは数社独占といった形の、いわば一人勝ちの世界という時代が長く続きましたが、最近はネット市場も非常に高度化、複雑化しており、単に早く始めた者が一人勝ちするという時代ではなくなって参りました。

ネット通販を成功させるのに大きな肝になるのはSEOや広告であることは言うまでもありません。
当社が伝票印刷のネット通販を開始したのは2001年にさかのぼりますが、当時は伝票業界でネット通販を行っている業者はほとんどなく、ネット広告などは当社の独壇場の状態でした。
例えば当時、「伝票印刷」というキーワードで広告を出すのに、1クリック単価は7円で広告を出すことができました。
しかも当時は競合他社がいなかったので、広告を出しているのは当社ただ1社だけという状態でした。まさに伝票の問い合わせは全て当社にくるような状況でした。

その後、競合他社がどんどん増えていき、現在「伝票印刷」というキーワードで1番上に広告を出すには1クリック1000円近く出さなくては広告が出せません。
当時の広告代のなんと100倍以上です。
1ページ目に広告を出すだけでも300円以上は必要です。

そして最近ではSEOも非常に複雑化し、競合他社も増え続ける中で、SEOや広告を効果的に運用し、そこから利益を生み出していくのは容易ではありません。
もちろんこれらを維持するには「お金」と「時間」と「労力」がかかります。
したがって最近では早くやった者が勝者になるという、いわば一発逆転のラッキーな時代から、コツコツと地道に頑張った者、あるいは実力のある者が勝者になるという、本来当たり前であるビジネスの基本原理にネットの世界も傾いてきたように感じます。
伝票印刷業界においても低価格競争は2007年あたりには既に物理的な最安値に到達しており、これ以降の価格競争は、おおむねどんぐりの背比べのような状況になっており、他社との差別化という点ではもはや低価格を全面に出すのはインパクトがあまりなく、これからはユーザーから見た利便性や独自性、専門性、あるいはイメージといったものがより重要になってくると思われます。